女人成仏

古代インドでは、女性の地位が非常に低く、仏教経典にも女性差別の文言が多くみられる。でももっと古い仏教では男性女性の差別は見られないようだ。これはお釈迦様が男尊女卑を解いたわけではなく、その後の教団の分裂過程により、女性の社会的地位がそのまま反映されたものと思われる。その後、救済処置として、女性のままでは仏に成れないので、男性に変性して成仏させるというおかしな考え方が出てきた。

日本では、古代仏教においては、僧も尼僧も対等の立場にあり、変な差別はなかった。しかし家長制度や男子優生のような社会的変化によって、女性に対する差別待遇が始まり、仏教的女性差別観が貴族社会に拡がったようだ。そして救済措置として男子変性説による女性の成仏が展開されるも、同時に女人禁制や女人結界などというこれまた失礼な行いがなされていたのである。そして平安時代には女性に対し、差別と救済の二面の意味を持つ女人成仏という考え方が出てきたのである。鎌倉仏教で女性に対する差別をなくす方向性も見られたようだが、室町時代には、またもや女性の地位低下が進み、女性は不浄だなる考え方が台頭し、女性に対する仏教的差別はますます強くなったのである。

男性はいったい誰から生まれたんだ…と考えてみれば女性に対するぞんざいな扱いは全く理不尽だ。

お釈迦様はそんなことは絶対言ってないと思う!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です